独り言

ファイト

院長のひとりごと232

ジャニーズ問題が世間を騒がせ、東山紀之さんが自身のキャリアを捨ててその後始末をすることになりました。
当初の数回の会見の度にごうごうたる非難の嵐が吹き荒れました。
私は昭和の人間なので、我こそは正義なりと声高に彼を非難する声が理解できません。
私は組織にはロイヤリティーを持っていませんが、人には強いロイヤリティーを持っています。
幸いにして私が敬愛する指導教授はどの方も人格者であり、弟子の末席に加えて頂いたことをずっと感謝し誇りに思っています。
ジャニー喜多川という人は「鬼畜の所業」を繰り返した人ですが、東山さんを世に出した人でもあります。
もし私ならその人を公然と非難し、その人の所業の後始末をするような立場を受け入れたか甚だ疑問です。
しかも現在の成功している自分のキャリアを捨ててまで。
私のうがった見方かもしれませんが、東山さんは自分を世に出してくれた恩人であるからこそ、その人が亡くなった今、残した負の遺産の処理をかってでたのではないでしょうか。
誰かが自分の恩人の悪行の後始末をしなければならないなら自分がすると。
私には昭和の美学に思えます。
東山さんは今まで表舞台で活躍してきた人であり、裏方の仕事は知らないのですから手法や経緯には稚拙なことが多々あっても仕方がないと思います。
後始末をするという断固たる決断を下した昭和の男の仕事ぶりを、黙って見守るくらいのことが世間は何故出来ないのでしょうか。
私はこの問題に世間が飽きて何も言わなくなってもずっと東山さんの仕事ぶりを見守っていきたいと思います。
東山さんを見ていると中島みゆきさんのファイトという歌が頭を巡ります。
世間から叩かれても叩かれても、笑われても笑われても東山さんはきっと愚直なまでに初志貫徹して仕事を進められると信じています。
彼にはそんな昭和の気骨を感じるのです。
この仕事は被害者のアフターケアという面では終わりがありません。
ですがいつか東山さんにはまた表舞台に戻ってきて欲しいと願っています。