独り言

悔し泣き

浅田真央

悔し泣き

院長のひとりごと59

バンクーバーオリンピックで、浅田真央さんの活躍と涙に感激しました。
素直に悔しさを、涙で表した姿は実にすばらしく、全力で戦った誇りのあるものだけが流す、尊い涙だと思いました。
悔しさがある限り、次に彼女が勝つ可能性があると思います。
負けて悔い無し、なんてことはあり得ないし、本当にそう思うとしたら引退を意識したときだと思います。
メダルの色が何色だろうと、すばらしい戦いをしたことに変わりはありません。
あのすさまじいプレッシャーの中で、しかも目の前でとうてい追いつけそうもない高得点を出されたにもかかわらず、きわめて難度の高い技を成功させた、彼女の実力は凄まじいものがあると思います。
そして、ものすごい精神力の持ち主だと思います。
だからこそ、人目もはばからず悔し涙を流せたのだと思います。
あの涙に彼女のプライドを感じました。
以前オリンピックの水泳で、銀メダルを勝ち取ったのに「金が良かった。」とコメントしていた選手がいましたが、とても素直で気持ちのいいコメントだと思いました。
スポーツに限らず、どんな分野でもその道のプロは一番を目指すものだと思います。
そして一番になる努力により向上し、一番になれなかったときの悔しさをバネに、努力を続けるモチベーションを維持するのだと思います。
「何故一番でないと駄目なのですか。二番では駄目ですか。」と鼻息荒くのたまっていた国会議員がいましたが、初めから二番ねらいで二番になれると思っているとしたら、とんだ見当違いというべきでしょう。
一番をねらっている多くのものの中からの一人が、かろうじて二番を手にするのです。
あんな議員が仕切る政策が、国を動かすなんて恐ろしい限りです。
かつて大学院時代に学位を取るために研究をしている先輩が、なかなか結果が出ないとき、「日本で一番、世界で二番。」と自嘲気味に言っていた言葉を思い出します。
初めから二番を狙うというのは、いじましい猿真似を意味するということです。
そんな姿勢ではどんな分野においても、本当の成果が出ることはないと断言できます。

2010年4月20日