パーキンソン病
身体の動きが強ばってくる病気で最近増えているものに、パーキンソン病があります。
この病気は、身体の動きを滑らかにする脳の部位の神経細胞の働きが悪くなって起こってきます。
手足が振るえる、細かい動作がしにくい、歩くとき足が前に出ない等の症状で発病します。
パーキンソン病では、顔の表情が乏しくなり、声が小さくなります。
字も書きにくくなり小さくなります。
前屈みの姿勢となり、歩くとき歩幅が小さくなりちょこちょことした歩行となります。
時には歩くのを止めようとしても止められず、突進してしまうこともあります。
大半のパーキンソン病は原因が分からないものですが、重金属、一酸化炭素中毒、向精神薬、脳梗塞などでもパーキンソン症状は出現します。
幸いなことにこの病気には治療薬があります。
身体の動きが悪くなるのは、脳の中の運動を滑らかにする部位で、ドーパミンという物質が減少することによります。
そこで、これを補ってやることで症状が軽快するのです。
具体的にはドーパミンを作る材料や、ドーパミンと同じように働くものを薬として使います。
パーキンソン病の治療薬は、神経疾患の治療薬の中で最も研究が進んでいます。
残念ながら病気自体を治すことは出来ませんが、治療薬により症状が取れて日常生活が劇的に改善することもあります。
治療薬は副作用の強いものもあり、また、いくつかの作用の違うものを組み合わせることで効果を大きくすることが出来るので、専門医による治療が望ましいと思います。
この病気は薬が急に効かなくなったりすることもあり、治療には手間がかかる場合もあります。
患者さんは身体の動きが悪くなると、体を動かすことをおっくうがるようになりますが、これが病気をさらに悪くします。
ですから、薬と同じくらい体を動かすことが大切だと言えます。
神経の病気には治療薬のないものが多く、医者にとっては無力感が募ることが多いのですが、パーキンソン病はそんな中にあって治療薬のある貴重な病気といえます。
パーキンソン病が疑われるときはためらわずに専門医の診察を受けて下さい。
