独り言

「命に対して誠実であれ」

理念

「命に対して誠実であれ」

院長のひとりごと55

私はこれまで一度もスタッフを解雇したことがありませんでした。
クリニックの最大の財産は人だと信じているからです。
最も貴重な財産を、自ら失うようなもったいないことは出来ないと考えています。
しかし、初めてスタッフに退職を求めることになりました。
詳しいことは個人の人権を尊重して、ここで書くことはしませんが、退職を求めた理由は私の理念を理解してもらえなかったことです。
「命に対して誠実であれ」ということが私の理念であり、うちのクリニックの理念だと考えています。
透析室で、実際に患者さんに医療行為を行うスタッフは当然のことながら、事務スタッフも、厨房スタッフも、送迎スタッフも、皆等しく命に対して誠実であってもらいたいと願っています。
それは24時間そうであってほしいと思っています。
仕事を離れても、けんかして暴力をふるうなどは問題外ですが、交通規則を守らず安全運転を怠ることも、命に誠実ではありません。
うちのクリニックには、飲酒運転をした者は依願退職とする規定があります。
禁煙の場所で煙草を吸うことも命に誠実ではありません。
本音を言えば、喫煙自体が命に対して誠実ではないと思っています。
私は決してストイックな生活を送っていません。
むしろその逆の生活態度かもしれません。
しかし、命に対していつも誠実でいることを心がけようと常々思っています。
人は必ずミスを犯すし、誰しもが極みに達するほどの技量を持ち合わせているわけではありません。
私の医療技術、知識などお恥ずかしい限りのものす。
しかし、命に対して誠実であれば、うかつなミスや取り返しのつかない過ちは避けられるのではないかと思っています。
精一杯やった結果が不幸な結果であれば、それはいずれは患者さんにも受け入れてもらえるのではないかと信じています。
クリニックの全ての責任は私にあります。
私は全ての責任を担うと同時に、スタッフ全員に命に対して誠実であることを求めています。
私の理念を理解してもらえていないことを理由に、退職を迫り受諾してもらいました。

2010年1月22日