独り言

たちの悪い風邪

院長のひとりごと187

今、新型コロナウィルスによる感染症がパンデミックを引き起こし、大変な事態となっております。
私の住む新宮市は交通アクセスが極めて不便なうえ、屋内の観光資源が殆どないため、熊野古道を散策する旅行者しか来ない町なので、ウィルスもまだ来ていないようです。
パンデミックという、世界規模の感染の蚊帳の外というのがいいのか悪いのか、意見の分かれるところです。

私達のクリニックは透析患者さんのクリニックなので、感染対策は普段から厳重に行っています。
クリニック内の消毒は、全て次亜塩素酸の効力を酢酸により高めた活性化次亜塩素酸で行っています。
スタッフ一同、手洗いをこの次亜塩素酸で頻繁にするようにしています。
患者さんはもとより、スタッフの家族も厳重に次亜塩素酸による手洗いをしてもらい、感染予防に努めています。

私は楽観していませんが、新型コロナウィルスによる感染症を、「たちの悪い風邪」と呼んでいます。
風邪の原因となるウィルスは雑多です。
ですから鼻に来る風邪、喉に来る風邪、おなかに来る風邪と、症状が雑多にあるわけです。
新型コロナウィルスによる感染は、匂いや味の異常を訴えることが多いことから、鼻に来る風邪の部類だと思います。
ただ鼻にとどまらず、肺に行く可能性が高いために、通常の風邪に比べると肺の感染症つまり、肺炎になりやすいという「たちの悪さ」が特徴です。
風邪を引いたら栄養を取ってゆっくり休むのが原則です。
そして人に移さないようにマスクをするのも原則です。
周りの人も移らないように気をつけるのも原則です。
だから原則に則って、風邪に対する対処をすればいいだけだと思います。
風邪の特効薬はありません。
だから特効薬を望むのではなく、移らないように手洗い、うがい、洗面を頻繁に行うことが肝心です。

風邪を引いた人を怖がったり、煙たがったり、つまはじきにしたりしないと思います。
だったら新型コロナウィルスによる感染症にかかった人や、その家族を必要以上に遠ざける態度はおかしいのではないでしょうか。
病気になったらお互い助け合うのが原則ではありませんか。