独り言

ピンチがチャンス

チャンス

ピンチがチャンス

院長のひとりごと121

アベノミクスによる景気の好転は起こっているのでしょうか。
私にはよく分からないのですが、残念なことに、ごく身近では経営の行き詰まりで苦労している話が山積みです。
開業医は経営の素人ですから、国はいくつものアドバンテージを与えてくれているので、私でもどうにか経営を続けていられます。
でも一般の商売はそうはいきません。
私の周囲で、経営破綻している経営者に共通して感じられることの一つに、決断力の欠如があります。
現状では経営困難であれば、漫然と経営を継続して好転する可能性は皆無の筈です。
何故変える決断が出来ないのか。
一つには現状分析不足があります。
いやなものを見たくない本能がそうさせるのでしょう。
自らの経営の、まずい面をさらけ出し、それを直視することが出来なければ解決策を見いだすことが出来ない、ということです。
無用なプライドや意地が自らの首を絞めていると言えます。
変えるためにはさらに信頼できるスタッフやブレーンが必要です。
一人で出来ることなど限りがあります。
自分と同じ気持ちで働いてくれるスタッフや、自分と同じ気持ちで会社を大切に思ってくれるブレーン無しでは成功しません。

私は6年前にクリニックの移転を行いましたが、これはクリニックが生き残る上でどうしても必要な決断でした。
しかし、実際にはなかなか決断できず現状に甘んじていたのです。
ところが競合する施設が市内に出来て、患者さんが激減する事態を迎え、やむにやまれず決断しました。
ピンチが与えてくれた復活のチャンスでした。
「禍福はあざなえる縄のごとし」でしょうか。
そして、まだ早いかなと思って行った移転でしたが、結果的にはぎりぎり間に合ったというべきタイミングでした。
世間の流れが自分の感覚より遙かに速いと痛感しました。
経営破綻をきたした経営者から求められる資金援助に応えましたが、全て後ろ向きの目的であり、金を生む金の使い方ではなかったので、破綻は十分予想されました。
何を言ってもしても無駄な経営者に対し、私は今後口も金も出さないと密かに決めています。

2015年2月19日