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品性のない人

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院長のひとりごと103

先日、製薬会社が主催する講演会に招待されて参加しました。
文字を読むのがおっくうで、もっぱら耳学問で情報収集している私としては、大変ありがたい機会です。
この日は高血圧、動脈硬化、腎障害といったテーマでの講演で、大変興味深く聴いていました。
演題は2題ありました。
最初の演題は大変興味深かったのに対し、2題目の演題はそれほどの興味を引くものではありませんでしたが、色々な調査に基づく充実した内容でした。
初めの演題の後で、活発な質疑が行われ、講演会をさらに充実したものにしていました。
2題目の演題の後、やはり質問が出たのですが、それは前代未聞の内容でした。
「あなたはこの研究調査に対していくら製薬会社からもらいましたか?」
「この調査データはあなた自身が集計しましたか、それとも製薬会社にまかせましたか?」
最近世間で問題になった、製薬会社が大学病院に金品を渡してデータ改ざんを行ったというニュースを引き合いに、演者に詰め寄ったのです。
座長が間に入り、取りなそうとしたのですがかなり強引な先生で、食らいついて止めません。
質問を受けた演者の先生は、名のある開業医の先生で、私もよく知っています。
温厚な方なのですが、「先生はこの様な講演会には出席するべきではない。」と応じられました。
「失礼なことを言うな。質問に答えよ。」
と、質問の失礼さを棚に上げて、この先生も負けていません。
かなりしらけた気分でやりとりを聞いていました。
アカデミズムを求めて来ているものにとっては、不毛な時間でしかありません。
確かにこんな先生は来るべきではなかったと思いますが、演者の先生は大物なのだから、軽くいなすことが出来た気がします。
国会のもみ合いをテレビで見るにつけ、情けないと思っていますが、医者にもこんな品性のかけらもない人や、とっさの場面で器の小ささを露呈する人がいることを再確認した次第です。
ちなみに世間で問題になった製薬会社の製品を、私も使ったことがありますが、大変よく効きました。
何事も自分で確認することが一番重要であり、情報に踊らされたくないものです。

2013年9月18日