病気のこと

不随意運動

不随意運動

本人の意思と関係なく、体が異常に動く症状を不随意運動といいます。
振戦とよばれる「ふるえ」はその中でも最も多いものです。
じっとしていても振るえるもの(静止時振戦)と、運動時に起こるもの(運動時振戦)があります。
緊張のあまり手が振るえるのも、振戦ですがこれは生理的振戦といって病気ではありません。

高齢者で手の振戦が見られますが(老人性振戦)、これは老化現象の一つです。
高齢者でなくとも同様な振戦は出現しますが(本態性振戦)、これらはいずれも薬により軽快します。
静止時振戦の見られる代表的疾患はパーキンソン病です。

最近増えている病気ですが、特効薬があります。
運動時振戦をきたす疾患では、小脳変性症が多いですが、この病気には決め手となる特効薬はまだありません。
手足が踊るように不規則に動く、不随意運動を舞踏運動と呼びます。

リウマチ熱が原因で起こることが多い急性舞踏病、遺伝性疾患であるハンチントン舞踏病等があります。
疾患自体の治療は困難ですが、舞踏運動には特効薬があります。
体をねじるようなゆっくりとした不随意運動にアテトーゼと呼ばれるものがあります。

脳性麻痺によるものが多いです。
筋の緊張が亢進して異常な姿勢をとり、手足の捻れるような運動を示すものをジストニーと呼びます。
先天的なもの、脳炎や脳腫瘍によるものなどがあります。

最近ジストニーに、食中毒で有名なボツリヌス毒素が有効なことが報告され注目されてます。
手足の急激な筋収縮による異常運動をミオクローヌスと呼びます。
ヘルペス脳炎やヤコブ病の特徴的な症状の一つです。
夜間眠っていて、急に手をばたんと動かすのは夜間ミオクローヌスと言いますが、これは病気ではなく、寝相が悪いというべきものです。

口をもぐもぐ動かすのは口部ジスキネジーといい、薬の副作用でみられます。顔面半分や、瞼が引きつるのは攣縮(れんしゅく)です。原因はわからないことが多いですが特効薬があります。

顔や首や肩に急激な運動を繰り返すものをチックといいますが、これは某有名タレントでご存じの方も多いのでは。