独り言

昭和

昭和

院長のひとりごと216

私は昭和30年に金沢で生まれました。
幼い頃は家の前の道路は舗装されておらず、町には野良犬や野良猫、雀、カラス、トンビなどがあちこちにいました。
家には風呂は無く、固定電話はありましたが近所には電話が無い家も珍しくはありませんでした。
トイレは水洗ではないし、テレビもクーラーもありませんでした。
コンビニもスーパーもありませんでした。
今から思うと不便なことも多いですが、今ではもう食べられない物が沢山ありました。
あの頃のような丸々と太った大きな鰯は今はありません。
特に子持ちの鰯を湯がいて食べるのが好きでした。
鰯の卵はものすごくなめらかな食感で大変美味でした。
ズイキの芽が出たての頃の芋の部分も今は食べられません。
里芋に似た味ですが、食感がこれもみずみずしくて芋っぽいもったり感がありませんでした。
しばたけというキノコも今は食べられません。
汁物にしてよく食べていました。
独特の風味が好きでした。
牛肉も刺しの入ったものなど無く、赤身で固くて、でも噛むと肉のうまみが湧き出てくるようなものでした。
最近泊まった1936年創業のホテルでは、建物はキレイでしたが、どことなく古い歴史の香りがするたたずまいでした。
シャンプーや石鹸も補充式では無く、小さな使い切りが用意してあり、タオルやバスマットもとても大きくて分厚い生地でした。
歯ブラシやカミソリも最初から部屋に用意してありました。
最近は大きなシティホテルでもアメニティーは結構しみったれていますが、こちらのホテルは昭和のホテルの持つ贅沢感を残していました。
レストランも和食、洋食、中華とそろっていて大変美味でした。
それでいて駐車場は無料だし、宿泊料金はビジネスホテルなみでした。
昭和は携帯もSNSも無い、今の若者にはどうして過ごしていいか途方に暮れる時代だったかもしれません。
でもその時代に育った私たちにとっては、忘れがたい懐かしい愛おしい時代です。
可能ならば私たちが味わった昭和の贅沢感を、今の若い人たちになんとか味わってもらいたいと密かに思っています。