独り言

ユニホームの心理効果

ユニホーム

ユニホームの心理効果

院長のひとりごと111

先日宅配便を出しに行くと、対応してくれたスタッフの人が年配の男性で、きちんとスーツを着た人でした。
対応は丁寧ですが、いささかぎこちない感じでした。
私はその時なんだかとても頼りなく、不安な感じがしました。
それがどうしてかと、もたもたした仕事ぶりを眺めながら考えていたのですが、どうやらそれは仕事ぶりではなく、着ている服に原因があると気がつきました。
スーツといえばきちんとした服装の代表です。
私も学会に参加するときは着用します。
クリニックに来るMRは皆スーツ着用です。
しかし、宅配便スタッフの正装はスーツではなく、ユニフォームです。
私が不安に感じた原因はこのスタッフが、ユニフォームを着ていなかったからでした。
もし、ユニフォームを着たスタッフなら、多少もたもたしていてもこんなに不安にならなかったと思います。
ユニフォームが与える心理効果が、思った以上に大きいものだと実感しました。
私もクリニックでは白衣というユニフォームを着用しています。
休憩時間に、私服に着替えて待合室で患者さんに挨拶すると「この人誰?」というリアクションに会うのが常です。
「先生の顔見て安心した。」と言ってくれる患者さんもいますが、私の顔ではなく白衣を見て安心するのでしょう。
反対に、白衣高血圧という言葉もありますから、血糖コントロールの悪い患者さんは、白衣を見ると血糖が余計に上がるかもしれませんが。患者さんに与える心理効果が、予想以上に大きいことを自覚して、診療をしなければいけないと改めて痛感した次第です。
来院した患者さんが安心して症状を訴えたり、クリニックで多少なりとも気持ちが癒されるためには、私たちスタッフがユニフォームを着た姿で丁寧な応対をすることが必要だと再認識しました。
私たちの対応が悪ければ、ユニフォームを見ると不安になるという、条件反射が形成される可能性もあります。
こんなことを考えていると、ようやく宅配便の発送手続きが済みました。
慣れなのか、発送伝票の控えを渡し忘れそうになったこのスタッフに、もうあまり不安を感じませんでした。

2014年5月19日