独り言

医療の精神

医療の精神

院長のひとりごと172

私はスタッフに、うちのクリニックの方針は患者さんとスタッフが、ともにハッピーになることだと伝えています。
うちは透析のクリニックです。
患者さんは週に3回来院します。
こんなに頻繁に来院する患者さんは、透析以外ではリハビリ目的位だと思います。
でもリハビリにはゴールがあります。
しかし透析には終わりがありません。
このため、患者さんはどうしても精神的に追い詰められた感じになる傾向があります。
そしてやりきれない気持ちを、クリニックのスタッフに爆発させる場合も少なくありません。
こんな患者さんを受け入れるスタッフに、一番必要なのは優しい笑顔だと思います。
スタッフが笑顔で患者さんを迎え入れるためにはスタッフがクリニックで気持ちよく働くことが肝心だと思います。
そのために、私はスタッフの待遇をできるだけよくすることに腐心しています。
ところが最近自分たちの待遇をよくすることに専念し、患者さんのことを考えないような態度が若いスタッフに見られるようになりました。
私が甘やかしたのが悪いのですが、患者さんあってのクリニックであるのにと大変残念に思っています。
確かに価値観は昭和と平成とでは違うでしょうし、今は叱って育てるなんてことをしたらパワハラとなってしまいます。
しかし、患者さん第一に仕事をするという精神は、昭和とか平成とかのスケールでは計れない、ヒポクラテスやナイチンゲールの時代からの不偏の真理だと思います。
知識や技術に優れているけれど、この精神を持たないスタッフより未熟でも自身の未熟さを知り医療の精神に則って仕事をするスタッフを私は選びます。
技術と知識のみのスタッフは取り返しのつかないミスを犯すリスクが高いからです。
私たちの仕事で取り返しのつかないミスは絶対にあってはなりません。
シニアスタッフを前に私はこの点を強調しました。
医療の精神を理解しないスタッフには、うちのクリニックを去ってもらうことも辞さないと伝えました。
まだまだシニアスタッフには,若手に教えることが残っていると痛感しています。