病気のこと

意識障害

意識障害

意識の低下すなわち、意識障害は、大きく3段階に分類されます。

1.目を開けている状態
2.刺激すると目を開ける状態
3.刺激しても目を開けない状態

の3段階です。
れらの各段階はさらに、それぞれ3段階ずつに細分されています。

脳神経は酸素不足、糖分不足に極端に弱い組織です。
従って、酸素と糖分を神経に運ぶ血液の流れが悪くなると真っ先に影響を受けます。
脳血流が障害される脳梗塞・脳出血・くも膜下出血、脳へ血液を送る心臓の働きが悪くなる心筋梗塞は代表的な原因疾患です。

脳神経に直接障害を与えるような頭部の外傷でも意識障害が起こります。
この場合外傷直後は意識ははっきりしているのに時間がたってから意識障害をきたすことがあります。
血液中に毒素が生ずるため、神経の働きが悪くなり意識障害をきたす原因には、腎障害による尿毒症、肝障害による肝性昏睡があります。

肺の疾患で血液中の酸素が減少して意識障害を起こす場合もあります。
脳に膿がたまったり(脳膿瘍)腫瘍が出来たり(脳腫瘍)して脳を圧迫する状態(脳圧亢進状態)でも意識障害は起こります。
髄膜炎、脳炎といった神経の感染症でも起こります。

甲状腺や副腎といった、ホルモンを作る臓器の働きに変調をきたしたときにも意識障害は見られます。

意識障害のある場合は、安静にして呼吸と血圧を保つことに努めると同時に原因を調べて取り除くことが急がれます。
時間との勝負となります。
急を要しない意識障害で、幻覚や妄想があり、興奮状態をきたすものをせん妄と呼びます。

アルコール中毒、脳動脈硬化症、アルツハイマー病等でみられます。
鎮静効果を持つ薬物が有効な場合があります。
脳血管障害等により、呼吸や血圧は正常ながら、体を動かさず、呼びかけに反応せず自発語も無い状態を無動性無言と呼びます。

幻覚や幻聴は、てんかんの症状の一部として現れることもありますが、精神状態が不安定なことによるものが多いと言えます。

初めて見るものを、以前に見たことがあるように感ずることを既視感(デジャ・ブ)といいますが経験ありませんか。