運動療法
運動療法は筋肉でのインスリン感受性改善に有効です。
しかし患者さんには誤解の無いように、決して食事療法に変わることは出来ないことを説明しています。
また糖尿病の合併症である網膜症、腎症をもつ患者では注意が必要です。
基本的に当院では指導していません。
糖尿病合併症
糖尿病で一番大切なのは合併症対策です。合併症には下記のものがあります。
《 微小血管障害 》
•糖尿病性網膜症
•糖尿病性腎症
•糖尿病性神経障害
《 大血管障害 》
•心血管障害(狭心症・心筋梗塞)
•脳血管障害(脳梗塞)
•末梢血管障害(閉塞性動脈硬化症)
合併症の原因は高血糖に起因する動脈硬化の進行です。
糖尿病の患者さんは高血糖に加え高脂血症、高血圧などを発症していることが多いので、動脈硬化のより早い進行が見られ、合併症の発症率が高くなります。
合併症のやっかいなところはいったん発症すると血糖のコントロールをしても改善しない点です。
しかし血糖のコントロールが悪いと進行が早まります。
理想は合併症を発症させないように、血糖のコントロールをすることです。
まとめ
1.糖尿病治療の基本は、膵臓の負荷軽減です。
2.糖尿病治療では、食事療法が最も重要です。
3.薬物療法のプランは、膵臓のインスリン分泌能で決まります。
4.合併症は、動脈硬化の進行に起因します。
5.合併症のコントロールのため、動脈効果促進因子である血圧、血糖、
脂質のコントロールを行うことが重要です。
6.病気に対する理解を深めてもらい、規則正しく受診してもらうことが
治療効果を上げるために必須です。
医療法人 淳風会 熊野路クリニック 院長 越村邦夫